Iさん(仮名・41歳女性・神奈川県・専業主婦・小学生1人)から届いた話。
『コピペで月100万・主婦の私でもできた』のInstagram広告。半年間のオンラインコンサルに80万円。卒業時の収益、約1万円。
「『主婦の私でもできた』というキャッチに、自分の人生を重ねてしまったのが、間違いの始まりでした」
専業主婦、子の小学校生活が落ち着いた頃
Iさんは、夫がサラリーマン、子は小学3年生、神奈川県内の戸建てで3人暮らし。専業主婦歴は12年、世帯年収は約650万円。
「子の学校が安定して、自分の時間ができ始めた時期でした。家計の足しに月5万円でも、と考え始めた」
Instagram広告、『コピペで月100万』
2024年の夏。Iさんは、Instagramのおすすめ広告で、コピペ物販コンサルの案内を目にした。
キャッチは、「コピペで月100万・主婦の私でもできた・スマホ完結」。動画には、30代の女性が登場、自宅のキッチンでスマホを操作している姿だった。
「『主婦の私でもできた』──この言葉に反応しました。自分も同じ立場、同じ年代、同じ家族構成。可能性を感じてしまった」
無料セミナー、自宅から夜のZoom
Iさんは、Zoom無料セミナーに参加。時間は夜21時、子が寝た後の時間。参加者約50名、ほぼ全員が女性、30〜40代の主婦が中心。
「会場の雰囲気が、本当に同じ立場の人たちで埋まっていて、安心感がありました」
80万円、半年コース
セミナーの最後、有料コンサル6か月コース、80万円。
「コピペ物販の全ノウハウ、運営LINEでの個別サポート、卒業時の収益サポート付き」
Iさんは、その夜のうちに申し込み。家計のへそくりと、独身時代の貯金から80万円を捻出した。
『コピペ』の実態、海外サイトからの商品情報転載
プログラム開始後、判明した『コピペ』の中身は、こうだった。
「海外の通販サイト(中国系・米国系)から商品情報をコピー、Amazon・楽天で出品、注文が入ったら海外から取り寄せて発送」
「『コピペ』という言葉から想像していた、テンプレ文章貼り付けだけで済む仕事とは、まったく違いました」
商品の規制適合性、配送遅延、返品クレーム
Iさんが半年で出品した商品は約300点。実際に売上が発生したのは約15点、合計売上は約3万円。
「コピペで出品は楽でしたが、注文後の対応が大変でした。配送遅延の問い合わせ、商品の規制適合性(食品衛生法・電気用品安全法)、不良品の返品──全部、Iさん個人の責任で対応する形」
運営LINEに状況を相談すると、「これも経験です、頑張ってください」のテンプレ返信。
累計収支、約80万円の赤字
Iさんの半年間の累計:コンサル代80万円、Amazon出品手数料・広告費・FBA手数料・送料が合計約5万円、売上約3万円、純利益マイナス約82万円。
「『主婦の私でもできた』動画の女性は、たぶん、運営側の演出だったと、卒業前に確信しました」
消費生活センター、特商法不実告知のルート
Iさんは、神奈川県消費生活センターに相談。コピペで月100万円の訴求と、実際の作業内容との乖離を立証する方向で、現在交渉中。返金見込みは約15万円前後。
取材の最後に
「同じ立場の主婦の方に伝えたい。『主婦の私でもできた』動画の女性は、ほぼ運営側の演出です。本物の主婦が再現できる副業なら、Instagram広告で集客する必要はありません。月100万円の事実があるなら、口コミだけで広がります」
振り返り:3つの教訓
1. 『主婦の私でもできた』動画の女性は、ほぼ運営側の演出。SNSで複数アカウントを検索して、実在性を確認する。
2. 『コピペ』の言葉は、実際の作業の大半を隠蔽するための略語として使われることが多い。契約前に、具体的な作業フローを書面で確認する。
3. 物販系のコンサルは、商品の規制適合性・配送・返品クレームを受講者の責任にする構造。教材の対象範囲を、契約前に明確にする。